ちょっと特殊?
プラントの施工管理について詳しく解説

他の施工管理と違って、少し特殊な部分があるので知っておきましょう。
就職・転職の参考になれば幸いです。
そもそもプラントとは
まず「プラント」とは、工場など生産設備のことです。
大きく分けると下記の3種類があります。
- 産業系プラント
- 化学系プラント
- 環境系プラント
それぞれの具体例は下記を参考にどうぞ。

仕事内容7選
プラント施工管理の主な仕事内容は下記の7つです。
- プラント設計
- 工程管理
- 安全管理
- 原価管理
- 品質管理
- 環境管理
- アフターメンテナンス
特に「プラント設計」と「アフターメンテナンス」は、他の施工管理ではあまり見られない業務です。
1つずつ解説します。

仕事内容 1
プラント設計
プラント設計とは、工場設備の設計図を作ることです。
このプラント設計は、大きく下記の2つに分けられます。
- 電気系:工場内に必要な電力供給の設備を造る
- 機械系:工場内に必要な機械や配管の設計・設置
電気系の設計は他の施工管理でも見られますが、機械系の設計はプラント施工管理ならではの業務です。
工場内部のさまざまな機器の設計を行います。
- 制御機器の設計
- 計装機器の設計
- 発電装置の設計など
ときにはエンジニアと話し合いながら、プラントを設計していきます。
仕事内容 2
工程管理
工程管理とは、工事のスケジュール管理や調整を行うことです。
納期までに完成させて、製造できる状態にもっていく必要があります。
基本的には納期厳守なので、優れたスケジュール管理力・調整力が必要です。
仕事内容 3
安全管理
安全管理とは、工事現場の危険を防ぐことです。
特にプラントは、下記のような危険が潜んでいます。
- 危険な化学物質
- 有毒ガス
- 引火や爆発 など
建設中の事故はあってはならないため、事故が起こらないような環境を作るのも施工管理の仕事です。
仕事内容 4
原価管理
原価管理とは、利益が出るように工事のお金を管理することです。
ときにはメーカーと価格交渉をすることもあります。
品質の高い工場を造りつつ、きちんと利益を出せるのが優秀な施工管理です。
仕事内容 5
品質管理
工場の品質を高めるための仕事です。
具体的には下記をチェックしていきます。
- 工場の耐久性に問題はないか
- 危険な箇所はないか
- 製造しやすい環境になっているか
常に検査を実施しながら、品質に問題がないか確認していきます。
また、生産ラインが完成したら、納品前に試運転も行います。
きちんと製造できる状態までもっていくのが仕事です。
仕事内容 6
環境管理
環境管理とは、下記の3つを実現することです。
- 自然環境への配慮:自然破壊をしないように工事を進める
- 周辺環境への配慮:周辺住民に迷惑をかけない工事をする
- 職場環境の向上 :現場の作業員が働きやすい環境を作る
特にプラントは「自然環境」への配慮が重要です。
汚水の流出や産業廃棄物の投棄をしない・させない環境づくりを行います。
仕事内容 7
アフターメンテナンス
プラントは納品したら終わりではなく、アフターメンテナンスも行います。
いざ生産ラインを稼働させたときに、不具合があった場合はすぐに対応が必要です。
また、長期に渡って工場を使うと壊れる部分が出てくるので、壊れた箇所の修理も実施します。
3つのメリット
プラント施工管理の大きなメリットは下記の3つです。
- 年収が高い
- 仕事の規模が大きい
- 海外でも働ける
こちらも1つずつ解説します。

ほかの分野に比べて年収が高い
他の施工管理の平均年収は500万円くらいですが、プラント施工管理は700万円くらいです
理由は下記の2つ。
- 高度な技術が必要だから
- 仕事の規模が大きいから
施工管理の中でも特殊であり、年収が高い傾向です。
仕事の規模が大きい
前述のとおり、仕事の規模が大きいです。
数百億~1兆円超えの工事を扱います。
ダイナミックな仕事をしたい人にはおすすめです。
海外でも働ける
プラント施工は海外の需要が大きいため、会社によっては海外勤務も可能です。
海外勤務は各種手当が多いため、大手だと年収1000万円以上を稼ぐプラント施工管理もいます。
ただし、海外勤務をするには英語力が必要です。
活かせる資格
参考に、プラント施工管理に活かせる資格をまとめておきます。
今後の資格取得の参考にしてみてください。
- 1級電気工事施工管理技士:工場の電気系統の建設に活かせる
- 1級管工事施工管理技士:工場内の配管工事に活かせる
- 1級土木施工管理技士:用地の工事に活かせる
- 1級建築施工管理技士:工場建築に活かせる
- 一級建築士:工場の建築設計に活かせる
- 電気主任技術者:工場の電気工作物のアフターメンテナンスに必要
- 危険物取扱者:化学製品工場などの危険物の取り扱いに必要
- エネルギー管理士:石油系・化学系の工場建設に活かせる
- 高圧ガス製造保安責任者:液化天然ガスなどの工場建設に活かせる
- 公害防止管理者:環境系プラントに活かせる
- 作業環境測定士:環境系プラントに活かせる
- 技術士:高度な科学技術の知識を活かせる
まとめ
大きな仕事で活躍したい人は、ぜひとも挑戦してみてください。