派遣先から引き抜きの声がかかったら

建設業界で働いていると「うちの会社に来なよ」と誘われることがあります。
引き抜きは誇らしいことに思いますが、デメリットもあるので慎重に判断してください。
この記事では、引き抜きのメリットとデメリットを解説します。 双方を理解した上で、本当に転職するか考えましょう。
建設業界では引き抜きも多い
慢性的な人で不足も相まって、建設業界では、引き抜きはしばしば発生することです。。
令和3年2月の建設業の有効求人倍率は5倍以上です。
※1人の求職者に対して5件以上の求人がある状態。
参考:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和3年2月分)について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000212893_00052.html

出典:国土交通省「建設産業の現状と課題」
https://www.mlit.go.jp/common/001149561.pdf
特に派遣で働く人は、派遣先の会社から引き抜きの誘いを受けることも多いです。
特に引き抜かれやすい人の特徴
資格をもっていたり、即戦力になれる人材だとわかると、特に引き抜かれやすいです。
例えば、施工管理であれば「施工管理技士」をもっていると、引き抜きの声はかかりやすくなります。
施工管理技士は主任技術者(1級は監理技術者)になれることもあり、多くの会社が採用したいものです。
上位資格をもっている人だと、大手に引き抜かれる人もいます。当然ながら、即戦力人材も声がかかりやすいです。
引き抜きのメリット4選
引き抜かれるメリットは下記の4つです。
- どんな会社かわかっている
- 人間関係ができている
- 仕事内容に慣れている
- 大きい会社に転職できる可能性がある
ここでは、派遣で働く人向けに「引き抜きのメリット」を1つずつ解説します。

メリット1
どんな会社かわかっている
すでに現場で働いているので、どんな会社かわかっているのは大きなメリットです。
- 社風、仕事の進め方
- 最近の業績や今後の展開
- 社員さんたちの雰囲気
をわかっているので、転職後もスムーズに働くことができます。
メリット2
人間関係ができている
人間関係がすでにできているのも大きなメリットでしょう。
転職後も親しい人たちと働ければ、転職のストレスはほとんどありません。
まったく知らない会社に転職して、一から人間関係を作る必要がないのが良いところです。
メリット3
仕事内容に慣れている
すでに仕事内容に慣れているのもメリットです。 会社によって「会社独特のルールや仕事のやり方」があっても、理解しているので新しく覚える必要がありません。
転職してもやることがあまり変わらないので、不安も少なくて済みます。
メリット4
大きい会社に転職できる可能性がある
前述のとおり、資格やスキルがあれば大手に引き抜かれることもあります。
建設業界では、基本的に会社規模が大きいと年収が高い傾向です。
【会社規模別平均年収】
- 従業員数1000人以上:752万円
- 従業員数100~999人:576万円
- 従業員数10~99人:454万円
※千円単位は四捨五入しています。
参考:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html
大きい会社に引き抜かれれば、給料が上がることもあるでしょう。
引き抜きのデメリット4選
一方、引き抜きには下記のデメリットもあります。
- 条件面で話が違うことがある
- 親しい人と仕事ができるとは限らない
- 前の会社との関係が悪くなる人もいる
- 転職してすぐは給料が下がることもある
よく話を聞いてから冷静に判断しましょう。1つずつ解説します。

デメリット1
条件面で話が違うことがある
引き抜きは口頭で話が進んでしまうことも多く、転職してから「話が違う!」とトラブルになることがあります。
よくあるトラブルは、下記のような「条件面の認識の相違」です。
- 休日が少ない
- 残業が多すぎる
- 給料が少なかった
- 転職後のポジションが違った
引き抜きの声をかけてくれた人とどんなに親しい仲でも、条件面はしっかり聞きましょう。
デメリット2
親しい人と仕事ができるとは限らない
転職したら、想定外の現場に配属されるかもしれないので、引き抜いてくれた親しい人と働けない可能性もあります。
人によっては「親しい人と働けないなら、転職した意味がない…」と後悔する人もいるでしょう。
入社後にどのような仕事・現場で働くことになるかも、転職を決める前にしっかり聞いておく必要があります。
デメリット3
前の会社との関係が悪くなる人もいる
前(今)の会社との関係が悪化する危険性もあります。
同じ現場になったときは、気まずい思いをしたりする方もいるのではないでしょうか。
転職することだけでなく、「退職するリスク」もきちんと考えましょう。
デメリット4
転職してすぐは給料が下がることもある
給料が上がると思って転職しても、転職してすぐは給料が下がるケースもあります。
多くの会社では「試用期間」を設けており、その最中は待遇が変わるパターンもあるからです。
いざ転職したら想定より給料が低く、生活に困る人もいるので注意が必要です。
まとめ
引き抜きは条件面を確認しつつ慎重に検討を
引き抜きのメリットは下記の4つです。
- どんな会社かわかっている
- 人間関係ができている
- 仕事内容に慣れている
- 大きい会社に転職できる可能性がある
- 条件面で話が違うことがある
- 親しい人と仕事ができるとは限らない
- 前の会社との関係が悪くなる人もいる
- 転職してすぐは給料が下がることもある