意匠設計の働き方・転職

意匠設計の働き方や転職先について解説します。
意匠設計はデザイン性も高い仕事であるため、人気があります。
具体的な仕事内容や、意匠設計に就職するために必要な資格などを知っておきましょう。

意匠設計の

仕事内容

そもそも「意匠設計」とは、建築物を設計する仕事です。
施主の要望を聞き取り、理想の間取りやデザインを創っていきます。
意匠設計が作った設計図を元に工事が進んでいくため、重要な仕事といえるでしょう。

意匠設計の

仕事の流れ

意匠設計の仕事の大まかな流れは下記のとおりです。

  1. 施主のヒアリング
  2. 基本設計:大まかな設計
  3. 施主と契約
  4. 詳細設計:細かい部分の設計
  5. 工事監理:設計図どおりに工事が進んでいるかチェック
  6. 施主に引き渡し

基本設計では、施主の要望を反映したデザインをしたり、予算内に収まる設計を行います。
当然ですが、建築基準法に沿った設計を行う必要があります。
基本設計で施主の合意をもらえたら契約して、その後に詳細な設計に入っていきます。
また、設計図どおりに工事が進んでいるかチェックする「工事監理」も意匠設計の大事な仕事です。
施工者にイメージが伝わっていない状態で工事が進んでしまうと、施主のイメージと違う建物ができてしまいクレームになることもあります。
現場に出向いて、工事のチェックをして、イメージどおりの建築物を引き渡しするまでが意匠設計の仕事となります。

意匠設計の他に構造設計と設備設計がある

一口に「設計」といっても、意匠設計以外に「構造設計」と「設備設計」があります。
意味は下記のとおりです。

  • 構造設計:建物の強度や安全性を確保する設計
  • 設備設計:配管・電気・空調など設備の設計

意匠設計者は、構造設計者と設備設計者の意見や設計も取り入れて、全体の設計をまとめる立場です。
設計者の中でも、特に重要度が高い仕事といえるでしょう。

意匠設計の

やりがい

意匠設計の仕事にやりがいを感じるときは下記のとおりです。

  • 建物が完成したとき
  • 施主に感謝されたとき
  • お客様を紹介してもらえたとき

建築物を施主に引き渡して感謝されたとき、大きなやりがいを感じます。
また、以前に設計した施主から新たなお客様を紹介してもらえると、とてもうれしいものです。
人は本当に満足したものでないと、人に紹介しないからです。
人気が出てくれば独立も夢ではありません。

意匠設計の

きついところ

反対に、意匠設計のきついところは下記のとおりです。

  • スケジュールがタイトになることがある
  • 仕事をしながら勉強を続けないといけない
  • 予算内に収めないといけない

複数の案件を同時進行で進めることもあるので、かなり忙しくなるときもあります。
特に、締め切りが近いときは長時間労働になることもあるでしょう。
また、建築基準法など法律が深く関係する仕事なので、仕事と勉強を両立していく必要もあります。
そして、施主の予算は決められているため、諦めなければいけない部分が出てくるのも辛いところです。
「施主には喜んでほしいけど、予算の都合で実現できない」というジレンマを感じることもある仕事です。

意匠設計に

就職するために必要な資格

意匠設計になるには、下記の「建築士」の資格が必要です。

  • 一級建築士
  • 二級建築士
  • 木造建築士

基本的に、建築士の資格がない者が設計を行うことはできません。
それぞれの建築士が設計できる範囲は下記のとおりです。

  • 一級建築士
    すべての建物の設計が可能
  • 二級建築士
    木造と木造以外で延床面積300㎡以下、高さ13m以下、軒高9m以下、3階以上
    木造の一般建築物で延床面積1000㎡以下、高さ13m以下、軒高9m以下、3階以上
    木造の一般建築物で延床面積1000㎡以上、高さ13m以下、軒高9m以下、1階建て
  • 木造建築士
    木造で延床面積300㎡以下、高さ13m以下、軒高9m以下、2階建てまで

一般的には二級建築士から取得する人が多いです。
建築設計の大学・短大・専門学校などを卒業すると受験資格を得られます。
※木造建築士は木造の設計に限定されてしまうため、二級建築士を目指す人が多いです。

二級建築士になれば、すぐに一級建築士の受験資格を得られます。
一級建築士の試験合格後に4年以上の実務経験を積めば、一級建築士として免許登録されます

意匠設計の

転職先

意匠設計の主な転職先は下記があります。

  • 設計事務所
  • 建設会社
  • ハウスメーカー
  • 工務店
  • アトリエ事務所

1つずつ解説します。

設計事務所

ゼネコンやサブコンを含めた建設会社でも、意匠設計の募集があります。
設計の範囲が広いのが特徴で、ビルや商業施設などの設計をすることもあるでしょう。

ハウスメーカー

戸建住宅や集合住宅を中心に意匠設計を行います。
「家をデザインしたい」という人にはおすすめです。
大手ハウスメーカーでも募集があるので、大きい会社で働きたい人にも良いでしょう。

工務店

地域密着の工務店でも意匠設計の募集が出ていることがあります。
転勤がなく、地元で働きたい人などにおすすめです。
こだわりの意匠設計を売りにしている工務店もありますので、企業サイトをチェックしましょう。

アトリエ事務所

いわゆる「建築家」のもとで働くイメージです。
募集はとても少ないですが、「どうしてもこの建築家のもとで学びたい!」という人がいれば、募集が出ていないか調べてみましょう。

まとめ

意匠設計は人気職!自身のやりたいことをまとめておこう

意匠設計は建設業界の中でも人気がある職種です。
また、意匠設計の職務についている方もこだわりが強いケースが多いです。
会社で扱っているものや、仕事へ向き合う姿勢によっては、叶えたい目的が叶わない可能性があるので、転職の際にはきちんと下調べをしておく必要があります。